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サザンクロスツーリング:第53話
 投稿日 2002年05月05日(水)23時27分

 

 

10/6
昨日の疲れで朝寝坊していると久保君が起こしに来てくれて、
KAKADUでずぶ濡れになったテントを一緒に洗った。
久保君は、やっと取れたバスチケットを使って、
今日のバスでダーウィンを去る。シドニーに戻るそうだ。
アボリジナル作田さんもどこか分からないが次の町を目指して
バスに乗って去っていった。きっと古里のKAKADUに帰るのだろう。

その後ショウさんと図書館に行ったり洗濯をしたりしてのんびり。
夜は久保君と作田さんを除くKAKADUメンバー6人で
ユースの前で打ち上げ食事会をした。

10/7
佐山さんと節ちゃんとヨッちゃんは今日の飛行機でダーウィンを去る。
佐山さんは日本に、ヨッちゃんと節ちゃんはシドニーに。
空港まで見送りに行こうと思っていたが、えらく疲れていて、
昼過ぎまでずーっと寝ていたので行けなかった。
午後3時ぐらいにやっと起きて、バイク屋でエアクリーナを買ってきて
古いのと交換した。そのバイク屋でユウイチ君に会った。
ダーウィンで友達になった女の子、ミキちゃんがバイクを買ったそうだ。
よくやるなぁこの子。身長150cmそこそこで、足も全然つきそうにない。

夜はまたショウさんとチャイニーズをTakeAway。うまかった。
そのままショウさんとずーっとしゃべって夜遅くに寝た。
このショウさんも明日ダーウィンを去る。
ハンマー君はどこに行ったかわからないが、
これでKAKADUメンバーは全員ダーウィンから去り、
僕だけがまた1人残る。なんかまた寂しい夜だった。

10/8
またも朝寝坊していると、コンコンとドアをたたく音。
昨日去ったはずの節ちゃんとヨッちゃんが戻ってきた。
飛行機会社がストライキを起こし昨日は飛ばなかったそうだ。
かわいそうに。次の予約は明日の深夜だそうだ。

3人でケンタッキーに行き昼食を済ませてから、
バックパッカーズの彼女らの部屋でのんびり話をしたりして、
夕方4時頃から魚の餌付けショーをやっている海沿いのパークに行った。
餌付け自体は大したものではなかったが、回りの景色や雰囲気はとても
きれいだった。その帰りに公園で夕日を見ながら記念撮影。
まるで恋人同士のようにたわむれる。ってわけでもないけど。
節ちゃんヨッちゃんはテンポのいい名古屋弁をポンポン話すので
なんともノリが面白いのだ。

夜は3人でカレーを食べに行って、また彼女らの部屋で夜遅くまで
旅のお喋りをして楽しんだ。なんと言っても話題の中心は山下さん。
僕がケアンズで世話になった山下さんだ。
2人がどこで山下さんに会ったか忘れてしまったが、
こんな広い国で偶然にも共通の友人がいるというのが不思議で
たまらなかった。しかももういつどこで山下さんに会えるか、
彼女たちにも僕にも分からないのだから。

10/9
今日は節ちゃんとヨッちゃんの飛行機が出る日。でも飛行機は
深夜なので、朝から3人でWarMuseumに行った。タクシー。
戦争記念館関係では、いつもながらJapaneseの文字が目立つ。
日本では、このオーストラリアで日本人がやらかした残酷な
事実があまり知られていないし、現に僕も知らなかったが、
本当に戦争とは恐ろしくて醜いものだと感じてしまう。
こっちへ来て4ヶ月。歳のいったオージー老人から、
ジャップ!ゴーホーム!などと何度か言われたが、
あれは単なる日本人嫌いではなく、こういった戦争による
思いもあったのかもしれない。とても辛いことだ。

ダーウィン市街に戻ってきて3人でまたケンタッキー。
そしてモールの銀行でお金をおろして映画を見に行った。
タウンズビルで2回も見たComingToAmerica。これで3回目。
もちろん日本語字幕は無いので、
怪しい英語力とカンで見たのだが、何度見ても面白い。
でも3回目にして初めてエディーマーフィーが1人4役
やってることが分かった。今まで分かってなかったんだー。

その後しばらくユース前のテーブルとイスのところで
手紙を書いたりして、夜はいつものチャイニーズで長居。
チャーハン、ビーフ麺、ビール、アイスクリームなど、
なんだかいろいろ食べてしまった。

シャワーを浴びに一旦部屋に戻り、
またしばらく節ちゃんヨッちゃんと話をしてのんびりしていた。

2人の旅立ちは今夜の飛行機。深夜1:45発シドニー行き。
空港まで見送りに行った。2人はタクシー。僕はトランザルプ。
そういえばダーウィンに来て、KAKADUにも戦争記念館にも
節ちゃんヨッちゃんと一緒に行ったが、一度も自分のバイクを
見せたことはなかった。初めて僕のバイクを見た2人は、
空港の駐車場で後ろに乗って記念写真を一緒に撮ってくれた。
ケアンズのケープトリビュレーションで、見知らぬカナダ人を
ヒッチハイクで乗せて以来、初めての2人乗りだったりする。

やがて2人の飛行機は暗い暗い夜空に飛び立った。
僕はシドニーから2ヶ月半かかってここに来たけど、
あの飛行機はほんの3時間でシドニーなんだなぁ。
シドニーは寒いんだろうなぁ。こういう見送りというのは
いつもながらいいものだが、あとに残されるのはいつも
自分1人なわけでとても寂しい。でも僕は1人でパースに行く。
1人で。そしてまたどこかで友達ができるだろう。
なんてちょっとしんみり。
ヨッちゃんと節ちゃんが無事シドニーに着きますように。

 

 

 

   
 

 

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