阿久津文庫

静岡県にお住まいの阿久津さんを個人崇拝する大胆な(無謀とも言う)ページです。阿久津さんていったいどんな人?と思われる方が多いと思いますが阿久津さんの濃い書き込みが増えるに従って明らかになるのではないかと思います。最近読まれた方はぜひ過去ログページから読み始めることをお勧めします。阿久津さんの旅は始まったばかりです。
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サザンクロスツーリング:第27話

 投稿日 2000年10月30日(月)02時57分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-01p61.ppp.odn.ad.jp] 削除


長らくの無更新、自己反省中の阿久津でございます。

日刊アフリカツインの全国ミーティングも無事終了し、
大好きな冬の足音が聞こえてくる今日この頃、
皆様いかがお過ごしですか。おっと何言ってんだろ。。
月並みな挨拶ばかり書いてないで、第27話です。

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9/8

MoonRiverResortのNさんのキャラバンで目覚めた。

Nさんありがとう。日本に居て日本で出会っていたら、
きっと知り合いにはなっていなかったであろう、というほど
僕とNさんはタイプが違うと思うのだが、そこが異国の妙と
いうのか、同じ日本人というだけで、どこか信頼がおけ、
無防備に部屋を共に就寝できてしまうのだ。
実際僕は幸いなことに、これまで出会った日本人は皆いい人
ばかりだった気がする。
(残念なことに、信頼感を利用した犯罪もあるらしいので注意)

結局今日も朝食から昼食まで御馳走になり、目の前のビーチ
とキャンプ場付設のプールで涼みまくって、夕方ゆっくりと
Nさん宅(キャンピングカー)を辞す。

そう、もう今ならY氏はケープヨークへ旅立った後のはずだ。
先端までたどり着けずに、誰よりも自分が一番泣きそうになっ
ている僕に「え〜行けなかったの〜」と洒落にならない一言を
浴びせかけるであろうY氏と顔を合わせる心配はない。
Y氏がケープヨークから戻る前にケアンズを出てしまおう。
ふふふふふ。ははははは!まいったかY氏!
オフロードばかりがオーストラリアの魅力じゃないんだー!
一生懸命自分に言い聞かせてみるが、余計に寂しくなってきた
のでやめた。まあいっか。 そう、まあいっか、これこそが
オージー精神なのだ。なのか?

ケアンズ市街までほんの30分。数100kmに及ぶケープヨークの砂道
を走ってきた僕は、格段に舗装路を走るのが上手くなっている。
そうダートを走るのは上手くなったのかどうか分からない。
でも舗装路は上手くなったのだ。きっと。たぶん。おそらく。

おお舗装路はいい!風が気持ちいい!
サングラスのお姉さんが運転する赤いスポーツカーも走っている!

と、1人勝手に爽快な気分の俺。つい2日前、ケープヨーク到達
を諦めることを、勇気あるUターンとまで名付けて自分を励まし、
後悔に加えて罪悪感まで伴って泣きそうだった自分だが、
いざ街まで戻ってくると勝手に達成感が込み上げてきた。

身も心も軽快に、住み慣れた海岸の観光人街、エスプラネードを
目指して、ケアンズの郊外を快走するのだ。

やっと、本当にやっとエスプラネードに戻ってきた。
オーストラリアツーリングのメインイベントとして、ケープヨーク
への往復2000km近い砂地獄に挑んだけど、結局途中で引き返し、
約1000km弱の人生初めてのオフロード経験は無事終了。
特にパンクもせず故障もなかったが、トランザルプは両側のカウル
が泥だらけ砂だらけ。しかも割れてしまった。
自分だけの勲章と思って、取りあえず直さずに行こう。
本当は修理代がもったいないだけなのだが。

今頃ヨシ君は先端に到達してるかな。
Y氏も早ければ2日後には先端に到達するだろう。
あの自転車で先端を目指していた青年はどこまで行ったろう。
僕も大陸1周が無事終わってシドニーに戻ったら、
もう1度このケアンズに北上して、その時こそケープヨーク
に挑戦しよう。待ってろケープヨーク。絶対行ってやるぞ。

初心者コースとして北上してきた東海岸だったけど、
もうシドニーを出て1ヶ月半も経ったんだなぁ。
少しスピードアップしないとビザの延長やらも間に合わないし、
そろそろ一気に移動を始めなきゃ。当初の計画では9月頭には
ケアンズを出ることになっているし。明日から出発の準備だ。

*************************************************
9/8 MoonRiverRizort〜Cairns
走行
 20km(たったの20km!)
給油
 −
燃費
 −
*************************************************

さぁこれで本当に大陸1周ツーリング第1章、さまよえる東海岸編は終了。
これからは第2章、怒濤の内陸突破編(今考えた)へ突入だ。


しばらくの無更新すいません

 投稿日 2000年10月17日(火)14時17分 投稿者 阿久津@富士山 [ip1a0068.ehm.mesh.ad.jp] 削除

こんばんわ。ご無沙汰となっております。
阿久津文庫の阿久津です。

アフリカツインVRMも無事終わり、季節はすっかり秋ですね。
さて、ずっと更新をさぼっていたサザンクロスツーリング、
読んでくださっている方居られましたら、どうもすいませんでした。
久しぶりの書込みなので、この掲示板について少しだけ説明を。

この掲示板は、私阿久津の個人的なオーストラリアツーリング日記を
ほぼそのまま、基本的には私個人の記録を活字にしようということで、
竹内さんに掲示板をお借りして書き始めたものです。
個人的な内容も多いため、意味不明なことも多いかと思います。
あくまで個人の日記ということでお許しください。

私が感じたままにツーリング全日程を4章に分けて進めています。
先にオリンピックで賑わったシドニーを出発し、
東海岸を一直線に北上するケアンズまでが第1章。内陸に入り、
有名なエアーズロックから最北端の都市ダーウィンまでが第2章。
大陸西海岸唯一の大都市パースまでが第3章。
そして西海岸から東海岸までを一気に大陸横断し、
スタート地シドニーに戻るまでを第4章とするつもりです。

次回の第27話で第一章を終えるところです。
4章の最後、僕の涙が止まらなくなるシドニーゴールまで、
実際の日記をこの掲示板に少しずつ書きたいと思っています。

どうぞお暇な方は海外ツーリングの超初級編ということで
1話から順に読んでみてください。


サザンクロスツーリング:第26話

 投稿日 2000年7月6日(木)05時59分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-04p54.ppp.odn.ad.jp] 削除


今サザンクロスツーリングはオーストラリア最北端を走っていた頃に
ついて書いています。ここらへんは私個人的に非常に印象の深い毎日
だったため、個人の記録として1日単位で書いております。
なかなか話が先に進まず鬱陶しいですが、この最北端を脱してからは、
1日千キロ近く走行する日もあったりして、一気にスピードがあがる
んですが。

9/7 8時近くに起床。

昨夜は20時ごろ寝たので、うむむ随分と寝たもんだ。
出発しようと準備していると、ちょうどあのきれいなお姉さんが
掃除をしにやってきて、Good Bye Mite!と、ちょっと男性風に
声を掛けてくれた。こんな些細なことで元気が出るものだ。

オーストラリアではちょくちょくGood day miteと挨拶する。
グダイマイッと発音する。形式ばった場所ではない、特に田舎と
いうか、田舎だけではないのだが、スーツを着てする挨拶言葉では
ないのだが、オージー特有の気さくな挨拶言葉である。
いよーこんちわ! といった感じ。
How ya goin' mite(ハゥヤゴーインマイッ)などもよく使う。

さあ今日中にケアンズに帰ろう!もうこんなダートはまっぴらだ。
もちろん後で思うと、こんなに素晴らしいケープヨークの思い出は
オフロード初めての僕にとっては非常に貴重な経験だったのだが。

このLakelandDawnsはケアンズ方面へ戻る元来た道と、CookTown方面への
分かれ道の町だが、憧れていたCookTownも今回はやめ。
スローペースでケアンズ帰還を目指す。

写真を撮ったり景色のいいところで止まったりしながら進む。
道路も少しずつ舗装部分が断続的に現れてきた。
パーコーリバーで昼食にハンバーガーとコーラ。
なんか暗い感じのガソリンスタンドだった。

そこからちょっと進むと、もうオフロードともお別れ。
往復800km以上の長い長いオフロードがやっと終わった。
1回目にケープヨークに踏み入れたときは、オフロードの始まる
Mt.Carbineまで来ただけであんなに心細くて怖かったのに、
今日は、道に舗装が見えるってだけで、人間というか生き物という
ものを感じ、心強く思えてくるから不思議なもんだ。

Mossmanで給油。そういえばやけに燃費がいい。
確実に20km/L以上走っているぞ。
さあ、もうケアンズまで残すところあとたった80kmだ。
一気に帰れば慣れた町の慣れたベッドが待っている。

と、ふと変なことを思い出した。
ケアンズを出発する前夜、日本人仲間で食事をしたのだが、
その時の某Y氏との会話。
「阿久津君、ケープヨーク行くんだって!」
「ええ、ヨシ君が行くって言うんでついて行こうと思います」
「俺も5日後ぐらいに出るから先端か途中で会えるね!
 俺、夢だったんだぁケープヨーク。このために会社辞めて
 ここに来たんだよ。」
「そうなんですかぁ。じゃあ先端で一緒に最北端を楽しみましょうよ!」

なんて調子のいい会話をしていたんだ。
明日はYさんが出発すると思われる日。
あとで思えば気にすることじゃないのだが、妙に、今日帰って
結局先端まで行かなかった、と告げるのが悔しくて恥ずかしくて。
ケアンズを目の前にして、今日は付近のビーチでキャンプすることにした。
明日の夜は、もうYさんは旅立っているはずだ。
こんな俺って、なんだか見栄っぱりで、そのくせ気が小さいよなあ。。

というわけで、MoonRiverResortというキャラバンパークに、
ケアンズで知り合った日本人カップルが長期滞在しているのを思い出した
ので寄ってみる。やっぱりまだいた。
キャラバンカー(キャンピングカー)で旅するNさんは山梨県出身の
怒ると怖そうな、でも優しいお兄さん。女性のほうは、このNさんに
オーストラリアに来てからいわゆるナンパされて一緒に旅している。
ひっじょーにお綺麗な方で、博多弁の訛りが初々しいのだ。
結局何から何までお世話になり、なんと夕食は4ヶ月ぶりの天ぷらだ!
う〜ん次回機会があれば、僕もこのキャラバンカーで旅行してみたい。
150万円で買っても100万円で売れるらしいので、実質バイクと変わらない
費用で旅行ができる。ま、燃費は悪いが。

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9/6 LakelandDowns〜MoonRiverRizort
走行
 249km
給油
 12.5L(Mossman)
燃費
 約22.0km/L
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Re:ぎょ

 投稿日 2000年6月16日(金)00時07分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-03p25.ppp.odn.ad.jp] 削除


>てっきり南半球では逆な物だと二十数年間信じ切ってました(笑)

ふふふ、騙されてた人めーっけた!
でもほんと行ってから知る事ってあるんですよねぇ。国外は特に。
また思い付いたら番外編等で私の無知さ加減を御紹介できればと思います。
いいもんですよ、知らない人、知らない街、知らない文化に出会うのも。


ぎょ

 投稿日 2000年6月12日(月)23時29分 投稿者 たけうち [p8b9377.mtym.ap.so-net.ne.jp] 削除

竹内です。
告白しますと(笑)小さい頃になるほどザワールドでその上下が逆
になった地図を紹介してまして、てっきり南半球では
逆な物だと二十数年間信じ切ってました(笑)しゃれとしての紹介だったんですね>ワールド
旭化成単独スポンサーの番組に渇望している竹内でした


サザンクロスツーリング:番外編その4

 投稿日 2000年6月8日(木)03時58分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-02p91.ppp.odn.ad.jp] 削除


番外編4として、ふと思い出した南半球での常識非常識を紹介します。

初めての海外、初めての南半球の生活。
初めてづくしの僕は洒落っ気の強い白人に騙されることもしばしば。
なんだか怪しい情報にからかわれたことも多いのだった。
たとえば、、、、

オーストラリアは南半球なので、
 1.太陽は西から昇って東に沈む
 2.台風は低気圧ではなく高気圧である
 3.北極星も動いて見える
 4.世界地図は上下逆さま(南極が上)になっている

などという話を聞かされた。
僕のように素直な日本人(?)は結構本気で騙されたりしていたのだ。
みなさんは大丈夫ですか? あ、そこのあなた!
上の4つは全部嘘っぱちだと思いませんでしたか?!
何をおっしゃる、4つとも全部本当なんですよ!

・・・なんてね。嘘ですよ嘘。
4は結構有名な嘘ですよね。あくまで洒落っ気として上を南極にした
地球儀などが売られたりしてましたが、一般の地図ではあくまで北が
上ですから、どこに行ったって地図では北極が1番上です。
オーストラリア英語でもちゃんと、
go up to north / down to south
などと、北へは上がる、南へは下がると表現します。

でも、南天の星を見て南半球を感じることができます。
北極星、絶対見えませんからね。
そういえば360度地平線という平原では、上を見上げずに目線の先に星が
見えます。地面ギリギリの星なんて、日本では見られる所が少ないですよね。

というわけで、
世界の距離が縮まったとは言え知らないことは結構あるもので。
(常識知らずの僕だけかもしれませんけど。。)
逆に世界にも日本を知らない人が意外と多いもの。
今でもちょんまげ結ったサムライが歩いていると
本気で思っている人達もいますからね。


サザンクロスツーリング:第25話

 投稿日 2000年6月1日(木)02時56分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-03p38.ppp.odn.ad.jp] 削除


日刊アフリカ四国ミーティング(第6回VRM)も済み、
なんとか社会復帰中の阿久津です。
阿久津文庫もそろそろスピードアップしていきましょー

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9/6 さあ、昨日途中で引き返して来たあの道を今日こそは走破するんだ!
そう言って張り切った朝を迎えたのはヨシ君だけであった。

そう、僕はすっかり意気消沈していた。
昨日までヨシ君に助けられこの激しい砂の道を500km以上も北上して来た。
だが、昨夜の持て余すほどの時間を過ごすうちに、ついいろいろと悪いほう
に考えてしまう、いつもの気の弱い俺が現れてしまった。

今日我慢すれば憧れの CapeYork に到達できるというのに、
ここまで来て僕は、北へ向かうヨシ君を見送った。。

しかしその後も迷いは晴れず、何度もUターンしては、
CapeYork を目指すかどうか悩んだ。
しかしもうヨシ君は行ってしまったんだ。
もう遅い。今から行っても、本当に単独で走破しなければならなくなる。
オフロードを初めて走っているんだ。やはり無理は禁物だ。
まだオーストラリアを半周もしていない。
ここで危険をおかして失敗したら、残りの2万キロはどうすんだ。

やっと決心して、ひたすら舗装道路の世界を目指して南下することにした。

そっちこっちで写真を撮りながらのゆっくりとした帰路である。
昨日悩まされた砂の道も、大分慣れてきたのか、今日はすんなりクリアできる。

Musglave で昼食を取ったのが午後1時。
次の町 HannRiver までの長い長い直線でも写真を撮りながら快適に走破。
昨日の苦労が嘘のようだ。俺は、、、うまくなっている?!

Laura で給油。小さなガソリンスタンドと売店だけのこんな所で、
アボリジニの少年がテレビゲームをやっている。
ちょっとのぞくと、昔懐かしいインベーダーだ。
日本語の表示が画面に現れるところをみると、どうやら日本の中古品のようだ。
日本では既に廃れてしまったインベーダーゲームを一生懸命やっている。
しかもたった1人で。なんとなく淋しい気持ちになった。

LakelandDowns に午後4時着。
ここは町と言っても、雑貨屋、ガソリンスタンド、モーテル、酒屋がそれぞれ
1軒ずつあり、あとは民家が少しだけ。
それとここには学校がある。小さい小さい学校である。

少々早いが、今日はここで宿泊だ。すっかり疲れてしまったので、
キャンプする元気が出てこない。贅沢して町に1軒のモーテルに宿泊。
こんな田舎なのに受付のお姉さんがすっごいきれいな人で、
小さな幸せを噛み締めてしまった。

*************************************************
9/6 ArcherRiver〜Musgrave〜Laura〜LakelandDowns
走行
 406km(全部ダート)
給油
 10.5L(Musgrave)
 6.0L(Laura)
燃費
 約18.0km/L
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サザンクロスツーリング:第24話

 投稿日 2000年4月24日(月)00時06分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-03p89.ppp.odn.ad.jp] 削除


ここから先は、400km先まで何もない。
もう昼近いので確実に途中で日が暮れてしまいそうで、
ジャングルでのブッシュキャンプを予想して、
食料も水も多めに積み込むことにした。

予備のガソリンタンクも満タンに詰めた。
ヨシ君は5L、僕は10Lのジェリ缶だ。
これを含めても、僕の運転技術では燃料ギリギリかな。
もし転べば少し漏れてしまうわけだし。

今日はここまでにして、ブッシュキャンプは避けたほうが
いいんじゃないかと提案したが、ヨシ君は行こうと言う。
しかしさすがの豪傑ヨシ君も、少々緊張気味。

午後1時出発。
満タンのメインタンクに予備タンク、食料、水がとても重い。

これまでは、砂は深くても比較的広くて真っ直ぐの道路だったので、
道幅いっぱいに使って自由に走れたが、ArcherRiverを過ぎると、
なんだかジャングルの中を縫うように走る道に変わり、
下手くそな僕とヨシ君にとっては、腕に力を入れっぱなしの、
凹凸の多い、日本の林道みたいな道になった。

丸太数本だけがかかった橋もあり、当然2輪車だと隙間から
タイヤが落ちてしまう。押してゆっくり2人でバイクを渡す。
気温はたぶん40度ぐらい。すごく暑いけど、乾燥している。

今は乾季。雨は一滴も降らない。
というか、乾季しかこの道は走れないのだ。
橋のない小川をいくつも乗り越えて行くが、
周りの木や土手を見ると、ああ、あそこまで水面が昇るんだ、
とわかる。雨季の水位のすごさが測り知れる。
ジャングルの雨季は半端じゃないらしい。
しかし、建物2階分以上になりそうな川も、
乾季はそのままジャバジャバと渡って行ける。

3時間ほど、腕をパンパンにして走り続けたので、ちょっと休憩。
するとありゃありゃ大変!
俺はすぐ目の前ばっかり見て走ってたので気付かなかったのだが、
ヨシ君の荷物が1つ無い!

食料と何やらを積めたバッグが無いよ。落としたんだ。
ヨシ君も俺も、バイクは特にオフロードなんてド素人である。
荷物の縛り方ひとつとっても、非常に適当だったわけで。

仕方なく引き返す。
やっと乗り越えてきたガタボコ道を荷物を探しながら戻る。

おお!ほんの30分も戻ったところでバッグ発見!
早く見つかってよかったー。
しかし、戻ったことで今日分のガソリンを大分消費してしまった。
戻った距離はほんの30kmぐらいだが、もともと燃料に余裕は無いので、
しばし思案の結果、、、ArcherRiverまで一旦戻ることにした。
自分達は素人なんだ。せめて準備万全で行きたい。

今来たばかりの悪路を、ArcherRiverまで戻る。
100kmぐらい戻ったかなぁ。もう燃料は半分ぐらいになっていた。
再度給油して再出発なのだが、今度こそもう時間がないので、
今夜はここArcherRiverで寝ることになった。

ArcherRiverロードハウスのArcherキャンプ場だ。ただの広場。
夕暮れまで暇だったので、その名もArcher川で水浴びして遊んだ。
涼しくて気持ちいい。夕食はArcherバーガーを食べた。
うう、何でもArcherだらけだ!

することもない長い夜、ガソリンスタンド1軒だけのここは、
自家発電機が止まると真っ暗だ。本当の闇。
テント越しにヨシ君がいろんな話を聞かせてくれた。
3ヶ月働いたら1年は旅をするというヨシ君。世界中を旅している。
ヨシ君は、こんなことを言っていた。世界旅行者にとっては、
 金の北米 女の南米 歴史のアジア 耐えてアフリカ
 何にも無いのがヨーロッパ どうでもいいのがオセアニア
だと。
行かなければわからない、いろんな国のいろんな話が聞けて、
とても充実したジャングルの夜なのだった。

*************************************************
9/5 Coen〜ArcherRiver〜途中で戻ってまたArcherRiver
走行
 280km(全部ダート)
給油
 20.5L(ArcherRiver 予備タンクも含む)
 9.3L(ArcherRiver)
燃費
 約18.5km/L
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サザンクロスツーリング:第23話

 投稿日 2000年4月4日(火)15時51分 投稿者 阿久津@富士山 [ns.jatco.co.jp] 削除


すっかり春ですね〜。富士市の桜もちらほらと咲いています。
では23話です。長いお話ですいません。
この掲示板は私個人の昔の日記を活字に打ち直す、という私の
個人的趣味も実現させてもらっている次第で、(竹内さんに感謝)
元の日記が長いと、書込みも長くなってしまい。。どうもすいまそん。

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9/5 6:30起床。8:00 Coenを出発

昨夜はCoenの安宿でひと安心。
ベッドごとについている蚊帳に入ってぐっすり眠った。
しかし今日も朝食を済ませると、また再び気の重い砂の道に突入だ。

うう、赤道も近い! といっても赤道までは行けないが。

この辺りまで北上してくると、町にはアボリジニがたくさんいる。
アボリジニたちは、もうずっと昔からこの地に住んでいたが、
白人達の進出で隅っこに追いやられる生活をしている。
今はなくなったのかどうかわからないけど、確か2流市民として
扱われている、と聞いた。何をもって2流なのかよく知らないのだが、
職につく際も政治に参加する際も、いろいろな面で差別を受けてきたのだろう。
白人達は、そういった面でアボリジニを差別するかわりに、その分生活費を
与えて保護してきたので、働かずにブラブラしているアボリジニが町に溢れる
ようになってしまったらしい。

自分には差別する意識はないと思っているんだけど、
することも無く町をぶらついている人の姿は、
あまり感じのいいものでないのは否定できない。

俺にとって、人種問題というのはあまりピンと来ないな。
みんなが同じ顔同じ髪同じような生活をしている日本人にとって、
人種問題を起因とした戦争など、とってもわかりにくい。

なんて、ひたすら何もない道を走っていると暇を持て余してしまい、
ついつい偉そうな人種問題など考えたりしてしまった。

ボーっとすると、砂にハンドルを取られて転倒する。
その繰り返しだ。飽きては転び、目が覚めては飽きての繰り返し。

今日の目的地は、果てしなく400km先だ。

Coenの町を出ると、再び制限速度100km/hの標識。
ふっ、相変わらずあてにならない標識だぜ。
法定速度はそりゃあ100km/hなんだろうが、
出さないって。こんなに荒れたダートなんだからぁ。
もちろん、バイクに慣れていない俺についての話である。

砂の色が、真っ赤に錆びている所と、白い粗い砂利が交互に
現れるような感じ。深くはないのだが、わだちがあって、
素人の俺にはかなり走りにくい。
当然、何度か転倒したが、昨日ほど派手に転ぶことはなくなった。

出発してわずか1時間。80kmほど走ったところで、
森もだいぶジャングルっぽくなってきた。
その森の中、道の左奥にあるArcherRiverというロードハウスに着いた。
Coenでは給油せずにきたので、ここで満タンに。
だいぶ早めだが、昼食もここで取る。

そう、ここから先が無給油区間の1番長いところで、
400km先までガソリンスタンドも民家も何もない。
途方もなく遠いなあ。ヘビもトカゲもいっぱいいるし、
やっばいなぁ。一番の難所なのだ。

しかし、行って来た人の話を聞くと、
ここを乗り切れば CapeYork は制覇したと言っていいらしい。

続く


サザンクロスツーリング:第22話

 投稿日 2000年3月16日(木)04時13分 投稿者 阿久津@富士山 [sobcc-01p90.ppp.odn.ad.jp] 削除

CapeYork1日目のCairns〜Coen間もなんとか残り300km。

道がダートになってもう100km、ずっとずっと深い砂。
大丈夫なんかこの道。
ヨシ君、本当にこの道でいいの。間違ってない?
でもたまーにランドクルーザーとすれ違う。たまーにだ。
残念ながら(?)、道は正しいようである。

この区間は100kmおきぐらいにガソリンスタンドはある。
ガソリンスタンド以外には何もない。何にも。
持ってきた予備のガソリン缶はまだ出番はない。
一応ケアンズで5Lだけ入れてきたけど。

途中にあるロードハウスは、田舎の割に思ったほど愛想が良くなく、
ガソリンも高い。
しかし、ハンバーガーは田舎でも値上がりしないので安心した。

気温は軽く40度ぐらい。んもおおおぉぉぉぉぉーー暑い!!
ロードハウスに備付けのシャワーで水浴びしたいが、
先が長いのでのんびりできない。
オージーらしきオフロードライダーとすれ違った以外は、
まだバイクの姿は見ていない。

激しいウォッシュボード状の砂の道が続く。
トランザルプ600は、もちろんバリバリのオフロード車ではない。
ちょっとしたギャップでも、突っ込んでしまうとサスが底をつく。
平均して80〜100km/hぐらいの、僕にとってはかなりの高速で
砂の道を走り続けた。
カンガルーやトカゲは相変わらずよく見かける。
暑くないのかあいつらは!

もちろん、順調に快走しているわけではない。
ハンドルをとられては転倒し、下手に減速しては前輪が埋もれて転倒し、
その繰り返しである。
転倒でカウルは割れるし手にマメができるし、かなり疲れてきたし、
すごいホコリで服も錆びたように赤茶けてきた。
ヨシ君がいなかったら、泣いてたな。いーや泣いてた。絶対泣いてた。

日が傾いてきても、まだ今夜の宿泊予定の町は見えてこない。
計画はヨシ君任せだが、初日からいきなりナイトランになった。
慣れない砂の道も、250kmも走ってると気分的にはひたすら惰性で
走っているようになり、生意気にも飽きてきた。
ただ、やはりハンドルを取られての転倒を何度か繰り返す。
ヨシ君も自分のコントロールで精一杯なので、
お互い、走行中は1人っきりなのと一緒だ。

朝の6:00から10時間以上かかって、夜7:00過ぎにようやくCoenに到着。

今日だけでダート400km。しかもそのうち200kmはずっと深い砂の道で、
周りはジャングルで展望もきかず、さすがにきつかった。

初日で疲れきってしまった。キャンプを諦め、
町に一軒しかないと思われる安宿に転がり込んだ。
ヨシ君の英語は完璧だ。

比較的楽と言われるケープヨーク前半のCoenまででもこんな道である。
きっと後半の道はすんごい厳しいんだろうな。。。
Weipaあたりで引き返そうかな。ここまで来ても弱気な俺。

*************************************************
9/4 Cairns〜Coen 
走行
 570km(ダートは約400km)
給油
 5.0L(PalmerRiver)、4.3L(HannRiver)
燃費
 約17.5km/L
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南米は遠いですねぇ

 投稿日 2000年3月14日(火)16時46分 投稿者 阿久津@富士山 [ns.jatco.co.jp] 削除


阿久津@富士山です。

>阿久津さんに質問なんですが、今年はどこか行ってみたい所ありますか?

最近、どこかに行きたい!って意識が前面に出ないことが多くて、、
う〜ん困ったことです。歳かなあ。
がんばって遊ぶってことは非常に大切なことですね。
と言いつつ、今年はパタゴニア(南米)に行ってみたいんです。
普通の観光でいいんです。
家族ネタで恐縮ですが、ウチの親父というのが、今は普通のサラリー
マンなんですが、その昔(それこそ20歳の頃)、単独で北南米を縦断
する計画を持っていたらしく、日単位での旅行計画から調査まで済ま
せたもの、為替の問題などによる資金不足と、当時の自由旅行の厳し
い制限のために断念したそうで、結局断念したまま、今はもう60歳です。
いまだに、行きたかったなぁ、という思いだけはあるようです。
親子の夢なんていう洒落た意識は全然ないのですが、
いつかパタゴニアに行ってみたいなあ、とずっと思っているんです。


阿久津さんファンです

 投稿日 2000年3月10日(金)03時38分 投稿者 たけうち [router.enet.co.jp] 削除

どうもこんばんは竹内です。いつもいつも楽しみに読んでます。
阿久津さんに質問なんですが、今年はどこか行ってみたい所ありますか?

PS 近々掲示板のメンテナンスを予定しています(日にちは未定ですが)
断続的に使えない時があるかもしれませんがどうかよろしく〜


サザンクロスツーリング:第21話

 投稿日 2000年3月8日(水)23時00分 投稿者 阿久津@富士山 [ns.jatco.co.jp] 削除


なんか春めいてきましたねぇ。花粉症で鼻水びんびんです。。
では、ティッシュを鼻に詰めながら、第21話いってみよう。

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9/4 5:30起床。6:40ケアンズを出発。

出発って、どこに。
オーストラリア大陸最北端の岬、CapeYork先端を目指して北上だ。
おいおい、諦めたんじゃなかったのか。
そう、右往左往した後、一旦は完全に諦めたんだ。

でも昨日の晩、ケアンズの旅行者仲間で食事をした時、
世界中を旅しているという日本人のヨシ君に誘われ、
つい、明日行こう、なんてことになっちまった。
バイクは素人のヨシ君。だがさすが世界中を旅して、
このオーストラリアの永住権も所有しているヨシ君のこと、
ピンチの場合の切り抜け方はベテランさ。(と期待した)

ケアンズを出て1時間半、こないだ来たMt.Carbineまでやってきた。
前回のショートツーリングであれほど怖く感じた、人のいないジャングルも、
連れがいると頼もしい。
真っ直ぐな荒い舗装路がずーっと続く。時速120kmで快走快走。
こないだ怖くてUターンしたポイントを過ぎるとすぐ、
GravelRoadの標識が出た。ダートだ。
生まれて初めてのロングダートに、とうとう踏み入れた。

ダートといっても最初は真っ直ぐで固い路面が果てしなく続いた。
こないだ行ったDaintreeの粘土道よりずっと走りやすい。

この最北端ツーリングは荷物はフルではない。
ケアンズのホテルに不要なものを置いてきた。
といっても、予備のガソリン缶や修理道具など、超大サイズの
防水バッグはパンパンに膨れてリアシートに載っている。
やっぱり重いんだなーもう。

ヨシ君はXLR350に荷物も少ない。バイク素人といっても、
僕よりずっと軽快にダートを楽しんでいる。
ただし、キックスタートの中古のXLRは、一旦エンストすると、
大汗かくほどキックしないとエンジンがかからない。
ヨシ君のエンストのたびに、僕はゆっくり休めるのだ。

200kmぐらい行ったところからだんだんダートの質も悪くなり、
胃下垂になりそうな波状道路から、とうとう深い砂に変わった。
リムの半分ぐらいまで埋まる感じの赤い砂。埃のように細かい。
砂なんて走ったことないんだもん、どうすりゃいいかわからん。
俺にできるのは、ただひたすらアクセルを開けるのみなのだ。

途中ハンドルをとられ、怖くなってアクセルを戻してしまい、
たちまちスローダウン、転倒。
ヨシ君もスローダウンすれば俺と同じように砂にはまりそうになるので、
俺が転倒しても、そうそう止まってはくれない。それはお互い様。

生まれて初めて砂道走っている。こえ〜。
しかも、一度転倒すると、起こすときに足元が悪いんで、
なかなかうまく起こせず、無駄に疲労する。
何がダート天国だ。こりゃあ俺にとってはやっぱ地獄だ。

・・・続く

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