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サザンクロスツーリング:第24話
 投稿日 2000年04月24日(月)00時06分

 

 

ここから先は、400km先まで何もない。
もう昼近いので確実に途中で日が暮れてしまいそうで、
ジャングルでのブッシュキャンプを予想して、
食料も水も多めに積み込むことにした。

予備のガソリンタンクも満タンに詰めた。
ヨシ君は5L、僕は10Lのジェリ缶だ。
これを含めても、僕の運転技術では燃料ギリギリかな。
もし転べば少し漏れてしまうわけだし。

今日はここまでにして、ブッシュキャンプは避けたほうが
いいんじゃないかと提案したが、ヨシ君は行こうと言う。
しかしさすがの豪傑ヨシ君も、少々緊張気味。

午後1時出発。
満タンのメインタンクに予備タンク、食料、水がとても重い。

これまでは、砂は深くても比較的広くて真っ直ぐの道路だったので、
道幅いっぱいに使って自由に走れたが、ArcherRiverを過ぎると、
なんだかジャングルの中を縫うように走る道に変わり、
下手くそな僕とヨシ君にとっては、腕に力を入れっぱなしの、
凹凸の多い、日本の林道みたいな道になった。

丸太数本だけがかかった橋もあり、当然2輪車だと隙間から
タイヤが落ちてしまう。押してゆっくり2人でバイクを渡す。
気温はたぶん40度ぐらい。すごく暑いけど、乾燥している。

今は乾季。雨は一滴も降らない。
というか、乾季しかこの道は走れないのだ。
橋のない小川をいくつも乗り越えて行くが、
周りの木や土手を見ると、ああ、あそこまで水面が昇るんだ、
とわかる。雨季の水位のすごさが測り知れる。
ジャングルの雨季は半端じゃないらしい。
しかし、建物2階分以上になりそうな川も、
乾季はそのままジャバジャバと渡って行ける。

3時間ほど、腕をパンパンにして走り続けたので、ちょっと休憩。
するとありゃありゃ大変!
俺はすぐ目の前ばっかり見て走ってたので気付かなかったのだが、
ヨシ君の荷物が1つ無い!

食料と何やらを積めたバッグが無いよ。落としたんだ。
ヨシ君も俺も、バイクは特にオフロードなんてド素人である。
荷物の縛り方ひとつとっても、非常に適当だったわけで。

仕方なく引き返す。
やっと乗り越えてきたガタボコ道を荷物を探しながら戻る。

おお!ほんの30分も戻ったところでバッグ発見!
早く見つかってよかったー。
しかし、戻ったことで今日分のガソリンを大分消費してしまった。
戻った距離はほんの30kmぐらいだが、もともと燃料に余裕は無いので、
しばし思案の結果、、、ArcherRiverまで一旦戻ることにした。
自分達は素人なんだ。せめて準備万全で行きたい。

今来たばかりの悪路を、ArcherRiverまで戻る。
100kmぐらい戻ったかなぁ。もう燃料は半分ぐらいになっていた。
再度給油して再出発なのだが、今度こそもう時間がないので、
今夜はここArcherRiverで寝ることになった。

ArcherRiverロードハウスのArcherキャンプ場だ。ただの広場。
夕暮れまで暇だったので、その名もArcher川で水浴びして遊んだ。
涼しくて気持ちいい。夕食はArcherバーガーを食べた。
うう、何でもArcherだらけだ!

することもない長い夜、ガソリンスタンド1軒だけのここは、
自家発電機が止まると真っ暗だ。本当の闇。
テント越しにヨシ君がいろんな話を聞かせてくれた。
3ヶ月働いたら1年は旅をするというヨシ君。世界中を旅している。
ヨシ君は、こんなことを言っていた。世界旅行者にとっては、
 金の北米 女の南米 歴史のアジア 耐えてアフリカ
 何にも無いのがヨーロッパ どうでもいいのがオセアニア
だと。
行かなければわからない、いろんな国のいろんな話が聞けて、
とても充実したジャングルの夜なのだった。

*************************************************
9/5 Coen〜ArcherRiver〜途中で戻ってまたArcherRiver
走行
 280km(全部ダート)
給油
 20.5L(ArcherRiver 予備タンクも含む)
 9.3L(ArcherRiver)
燃費
 約18.5km/L
*************************************************

 

 

  (06.02.27一部リニューアル)
 

 

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